化粧水のパッケージを見ていると、やたらと出てくるカタカナがあります。
セラミド。
「セラミド配合」「ヒト型セラミド」「3種のセラミド」。なんとなく良さそうな響きですが、何なのかと聞かれると答えられない。正直、私もそうでした。セラミックの親戚か何かだと思っていた時期もあります。もちろん違います。
この記事では、セラミドが何なのか、男性の乾燥肌とどう関係するのか、化粧品を選ぶときにどこを見ればいいのかを整理します。成分の話ですが、なるべく難しくしないように書きます。
結論を先に
- セラミドは、もともと自分の肌の中にある成分
- 肌のいちばん外側(角層)で、細胞と細胞のすき間を埋めて、うるおいを逃がしにくくする役割を担っている
- 化粧品に入っているセラミドにはいくつか種類があり、全成分表示の名前で見分けられる
- ただし「セラミド配合」と書いてあっても、どれくらい入っているかまでは分からない
- 面倒くさがりなら、今使っている化粧水の全成分を一度見てみるだけで十分
セラミドは「外から来た成分」ではない
まず大事なのは、セラミドは化粧品メーカーが発明した何かではない、ということです。
私たちの肌のいちばん外側には、角層と呼ばれる薄い層があります。ここでは、平たい細胞がレンガのように積み重なっています。そして、レンガとレンガのすき間を埋めているのが細胞間脂質です。
化粧品メーカーの解説では、この細胞間脂質の大部分がセラミドでできているとされています。ある解説の言葉を借りると、「セメントのような働き」をしているわけです。
レンガだけ積んでもすき間だらけで、雨風が吹き込みます。セメントで埋めてあるから、壁として機能する。肌も同じで、すき間がちゃんと埋まっていると、中の水分が逃げにくく、外からの刺激も入りにくい状態になります。いわゆる「バリア機能」と呼ばれているのが、この働きです。
セラミドが足りないと、どうなるか
セメントが減ると、レンガの壁はすき間だらけになります。
肌でいえば、水分が逃げやすくなり、カサつきや肌荒れを繰り返しやすくなると説明されています。
では、何がセラミドを減らすのか。一般的には、次のようなことが挙げられます。
- 洗いすぎ:熱いお湯や洗浄力の強い洗顔料で、肌に必要なものまで落としてしまう
- 空気の乾燥:冬の外気やエアコンの効いた部屋
- 年齢:年齢とともに減っていくとも言われます
一つ目の「洗いすぎ」は、男性がかなりやりがちなポイントです。テカリが気になって朝晩ゴシゴシ洗い、熱いシャワーを顔に直撃させる。さっぱりして気持ちいいのですが、セメントまで一緒に削っている可能性があります。
男の肌が「テカるのに乾く」と言われるのも、このあたりが関係しています。皮脂は多いのに、中の水分を保つ仕組みの方が弱っている。表面はギトギト、中はカラカラ。なかなか報われない状態です。
化粧品の「セラミド」には種類がある
化粧品に入っているセラミドは、どれも同じではありません。大きく分けると、次の4種類があります。
| 種類 | どんなものか | 全成分表示での名前の例 |
|---|---|---|
| ヒト型セラミド | 人の肌にあるセラミドと同じ構造に作ったもの | セラミドNP、セラミドAP、セラミドNG、セラミドEOP など |
| 動物型セラミド | 動物由来のもの | ウマスフィンゴ脂質 など |
| 植物型セラミド | 植物由来のもの | コメヌカスフィンゴ糖脂質、グルコシルセラミド など |
| 疑似セラミド | セラミドに似せて作った成分 | セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド など |
ヒト型セラミドは、昔は「セラミド2」「セラミド3」のように数字で表示されていました。今はアルファベットの表示名(セラミドNG、セラミドNPなど)が使われていますが、古い記事や商品説明では数字のままのこともあります。同じものの別の呼び方なので、混乱しなくて大丈夫です。
また、薬用化粧品(医薬部外品)の場合は、成分の表示名のルールが化粧品と違うため、同じセラミドでもまったく別の長い名前で書かれていることがあります。「セラミド」の文字が見当たらなくても、入っていないとは限りません。ここは少しややこしいところです。
「セラミド配合」の落とし穴
パッケージに「セラミド配合」と大きく書いてあると、たっぷり入っている気がします。でも、ここには注意点があります。
どれくらい入っているかは、パッケージからは分かりません。
全成分表示は、基本的に配合量の多い順に並んでいます。ただし、1%以下の成分は順不同で書いてよいことになっています。セラミドは、たいてい後ろの方に出てくる成分です。つまり、全成分を見ても「入っている」ことは分かりますが、「たくさん入っている」かどうかまでは、外からは判断しにくいわけです。
だから、「セラミド配合だから効くはず」と期待しすぎないこと。そして、入っていない化粧水がダメというわけでもないこと。保湿は、セラミド以外の成分(グリセリンやヒアルロン酸など)でも行われています。
セラミドは「入っていたらうれしい成分の一つ」くらいに考えておくのが、ちょうどいい距離感です。
私の化粧水にも入っていた
参考までに書いておくと、私が夜に使っているHAL SKINのスキンローションの全成分を見てみたら、セラミドNP・セラミドAP・セラミドNGの3種類が入っていました。いずれもヒト型セラミドです。
パッケージの表側で大きくうたっていなくても、全成分を見ると入っている、ということはよくあります。逆に、表で「セラミド」を推していても、ほかの成分の方がずっと多いこともあります。表側のキャッチコピーより、裏の全成分表示の方が正直です。自分が使っているものの中身を一度見ておくと、意外な発見があるかもしれません。
「飲むセラミド」はどうなのか
セラミドは、サプリメントや機能性表示食品にも使われています。「肌のうるおいを守る」といった表示を見たことがある人もいるかもしれません。
ただ、ここは塗るセラミドとは別の話です。機能性表示食品は、国が個別に審査したものではなく、事業者の責任で届け出たものです。どんな研究を根拠にしているかは、商品ごとに確認する必要があります。
そもそも順番として、洗いすぎをやめて、保湿をする方が先です。飲む方は、それをやったうえで検討する、くらいの位置づけで十分だと思います。
選ぶときに見るポイント
| 見るポイント | 考え方 |
|---|---|
| 全成分に「セラミド◯◯」があるか | ヒト型なら「セラミドNP」などの表示 |
| 種類の数 | 「3種配合」などは目安の一つ。多いほど偉い、とは限らない |
| 使い続けられるか | 値段・使用感・手間。結局これがいちばん大事 |
| 乾燥がひどいとき | 化粧水だけでなく、乳液やクリームでフタをすることも検討 |
最後の行が、地味ですが重要です。セラミドが入った化粧水を使っても、塗りっぱなしで乾燥する時期は、乳液やクリームを重ねた方がいい場合があります。成分より先に、使い方と量の話です。
面倒くさがりな男性なら、最低限これだけ
【最低限】
- 洗いすぎをやめる:熱いお湯とゴシゴシをやめるだけで、セメントを削らずに済みます
- 今使っている化粧水の全成分を一度見て、「セラミド」があるか確かめる
【もう少しやるなら】
- 次に化粧水を買うとき、ヒト型セラミド(セラミドNPなど)入りを候補にする
- 冬場に乾燥がひどいなら、乳液やクリームを足す
【さらにやるなら】
- 飲むタイプを検討するなら、機能性表示食品の届出内容を自分で確認してから
まとめ
- セラミドは、肌の角層で細胞のすき間を埋めるセメントのような成分
- 減ると水分が逃げやすくなり、カサつきや肌荒れを繰り返しやすくなるとされる
- 洗いすぎ・乾燥・年齢で減りやすいと言われる
- 化粧品のセラミドにはヒト型・動物型・植物型・疑似の種類がある
- 「セラミド配合」でも、量までは分からない。期待しすぎず、入っていたらうれしい成分くらいに
カタカナの成分名に振り回される必要はありません。でも、一つくらい「これは知ってる」という成分があると、化粧水選びが少しだけ楽しくなります。
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- 「そもそも化粧水っているの?」 → 男にも化粧水は必要?いる人・いらない人
- 「洗いすぎってどういうこと?」 → 男の洗顔、やりすぎていない?朝は洗顔料なしでもいい?
- 「機能性表示食品って信用していいの?」 → 機能性表示食品とは?届出と審査の違い
参考資料
本記事は一般的な情報と筆者の使用製品の紹介を含みますが、特定の商品や成分の効果を保証・断定するものではありません。肌の荒れやかゆみなどが続く場合は使用を中止し、皮膚科などの専門機関にご相談ください。


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