レチノールとは?初心者が始める前に知っておきたいこと

夜の窓辺でスポイトの美容液を見つめる男性 シワ対策

シワ対策について調べていると、必ずと言っていいほど出てくる名前があります。

レチノール。

美容系の記事では「シワ対策の王道」のように紹介され、口コミを見ると「ヒリヒリした」「皮がむけた」という声も並ぶ。すごい成分なのか、危ない成分なのか、よく分からないまま、なんとなく手を出しにくい。そんな印象の人も多いと思います。

私は今、0.1%のレチノール製品を毎日使っています。ただし、最初は1%の製品からいきなり入ってヒリヒリした、という遠回りをしています。

この記事では、実際に始める前に知っておきたい「レチノールとは何か」を整理します。具体的な始め方は、別の記事にまとめています。

結論を先に

  • レチノールはビタミンAの一種。肌のハリやシワとの関係が研究されてきた成分
  • 医薬部外品として「シワを改善する」効能が認められたものと、化粧品として配合されているだけのものがある
  • 光や熱に弱いとされ、使うのは夜が基本
  • 刺激が出やすいので、少量・週1回から始めるのが一般的
  • 使うなら保湿と日焼け止めはセット

レチノールは、ビタミンAの一種

レチノールは、ビタミンAの一種です。スキンケアの世界では、肌のハリやシワとの関係が長く研究されてきた成分として知られています。

資生堂は、レチノールについてコラーゲンの生成を促す働きが知られていると説明しています。日本人を対象にした研究でも、レチノールを塗った人に小ジワの改善がみられたという報告があります。

「研究されてきた歴史が長い」というのが、レチノールが王道と呼ばれる理由のひとつです。新しく出てきた話題の成分とは、そこが違います。

「医薬部外品のレチノール」と「化粧品のレチノール」

ここが、いちばん大事なところです。

同じ「レチノール配合」でも、商品には2種類あります。

医薬部外品化粧品
位置づけ有効成分として、シワを改善する効能が認められたもの成分として配合されているもの
パッケージの表示「シワを改善する」と書ける「シワを改善する」とは書けない
目印[医薬部外品][薬用]の表示表示なし

資生堂によると、同社の純粋レチノールは2017年に、レチノール類として国内で初めてシワ改善の医薬部外品の有効成分として認可を受けました。

一方で、ドラッグストアや通販で見かけるレチノール製品の多くは化粧品です。化粧品は、法律上「シワを改善する」とは表示できません。化粧品として書けるのは、「乾燥による小ジワを目立たなくする」(決められた試験を行ったもの)や「肌にはりを与える」といった範囲までです。

どちらが良い悪いではなく、表示できる内容が違う、ということです。

「純粋レチノール」と「レチノール誘導体」

成分表示を見ると、「レチノール」と書かれているものと、「パルミチン酸レチノール」のように、少し違う名前が書かれているものがあります。

後者は、レチノール誘導体と呼ばれるものです。レチノールは壊れやすい成分なので、安定させるために形を変えたものが使われることがあります。「純粋レチノール」という言葉は、誘導体ではないレチノールそのもの、という意味で使われています。

初心者のうちは、ここまで細かく覚えなくても大丈夫です。「レチノール」と名のつく成分にもいくつか種類がある、とだけ知っておけば、商品を比べるときに混乱しにくくなります。

光・熱・酸素に弱い

レチノールは、光・酸素・熱に弱い成分とされています。資生堂も、純粋レチノールは不安定で、劣化を防ぐために処方や容器を工夫していると説明しています。

そのため、使い方にも特徴があります。

  • 使うのは夜が基本(朝に使える商品もあるが、その場合も日焼け止めは必須)
  • ふたはすぐ閉める
  • 直射日光の当たる場所や、暑くなる場所に置かない

チューブやエアレス容器(空気が入りにくい容器)の商品が多いのも、このためです。洗面所の窓際に置きっぱなし、というのは避けた方がよさそうです。

刺激が出やすい

レチノールのいちばんの注意点は、刺激が出やすいことです。

使い始めに、赤み・乾燥・皮むけ・ヒリつきが出ることがあります。日本スキンケア協会の解説では、初めての人は週1回から始め、肌の様子を見ながら週2〜3回へと段階的に増やす進め方が紹介されています。量も、少量を薄くのばすのが基本で、重ね塗りは避けるとされています。

私は、この逆をやりました。「濃い方が効きそう」という理由で1%の製品を選び、ヒリヒリして毎日は使えませんでした。その後0.1%の製品に切り替えて、今は毎日使っています。その製品は、今5本目です。詳しい経緯は、レチノールの始め方:1%でヒリついて、0.1%に落ち着いた話 に書いています。

使うのを控えた方がいいタイミング

日本スキンケア協会の解説では、次のようなタイミングは控えるとされています。

  • 日焼けした直後
  • ピーリングやスクラブの直後
  • 顔そりや脱毛、美容施術の前後
  • 妊娠中・授乳中で不安がある場合

男性にとって気になるのは、顔そりです。ひげを剃った直後の肌は刺激を受けやすいので、剃った直後にレチノールを重ねるのは避けた方が無難です。夜に使うなら、ひげを剃るのは朝にしておく、という分け方がしやすいと思います(私はひげ脱毛をしていて今は剃っていないので、この点では楽をしています)。

一緒に使っていいもの、分けた方がいいもの

日本スキンケア協会の解説では、相性のよい保湿成分として、セラミド・ヒアルロン酸・ナイアシンアミド・グリセリン・スクワランなどが挙げられています。

逆に、同じ日に重ねすぎない方がいいものとして、ピーリング成分(AHA・BHA)、スクラブ、高濃度のビタミンCが挙げられています。ビタミンCは朝、レチノールは夜、と時間を分ける方法がよく紹介されています。

私も、朝はビタミンC誘導体入りの化粧水、夜はレチノール、という分け方をしています。

正直に書いておきたいこと

ここまで読むと、「じゃあ使えばシワが消えるのか」と思うかもしれません。

正直に書くと、私は5本目まで続けていますが、肌が目に見えて変わったから続けているわけではありません。 続けているのは、研究されてきた成分であることへの納得感と、使っている商品の評判がよかったからです。

レチノールは、塗った翌日に変わるような成分ではないとされています。期待しすぎず、刺激が出ない範囲で続けられるかどうか。そこが一番の分かれ目だと思います。

面倒くさがりな男性なら、最低限これだけ

【最低限】

  • レチノールを始める前に、日焼け止めと保湿を習慣にする
  • 始めるなら夜だけ・少量・週1回から

【もう少しやるなら】

  • 刺激がなければ、週2〜3回へ少しずつ増やす
  • ひげを剃るのは朝にして、剃った直後には使わない

【さらにやるなら】

  • 「シワを改善する」と書かれた医薬部外品の商品を選ぶ
  • 濃度を上げるのは、今の濃度に完全に慣れてから

まとめ

  • レチノールはビタミンAの一種で、シワやハリとの関係が研究されてきた成分
  • 「シワを改善する」と書けるのは医薬部外品だけ。化粧品のレチノールは書けない
  • 光・熱・酸素に弱いので、夜に使い、保管にも気をつける
  • 刺激が出やすいので、少量・週1回から
  • 使うなら保湿と日焼け止めをセットに

「王道の成分」と「刺激の強い成分」は、どちらも本当です。だからこそ、濃さより続けやすさで選ぶのがいいと思います。1%でつまずいた私からの、いちばんのアドバイスです。

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参考資料


本記事は筆者個人の使用経験と一般的な情報の紹介を目的としており、特定の商品や成分の効果を保証・断定するものではありません。使用感や肌の反応には個人差があります。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、皮膚科などの専門機関にご相談ください。妊娠中・授乳中の方は、使用前に医師にご相談ください。

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