日焼け止めでビタミンDが不足する?塗る前に知っておきたいこと

紫外線対策

ここまで紫外線対策の話を書いてきましたが、この記事だけは方向が逆です。

日焼け止めには、不利な側面もあります。

紫外線対策を勧めるサイトは、都合の悪い話を書きません。書くと商品が売れにくくなるからです。ただ、片側だけ見せる記事を読んで判断するのは、読む側にとって損です。

この記事では、日焼け止めのデメリットとして知られている点を扱います。結論としては「だから塗るな」ではありませんが、知らずにいるべき話でもありません。

結論を先に

  • 紫外線は、皮膚でビタミンDを作る役割も持っている
  • 環境省の資料によれば、SPF30の日焼け止めを使用すると、皮下でのビタミンD産生は5%以下に落ちる
  • ただし、ビタミンDは食事からも摂取できる
  • 「塗らない」ではなく「別の手段で補う」が現実的な結論

紫外線には、必要な働きもある

紫外線は悪者としてだけ扱われがちですが、体にとって必要な役割もあります。代表的なのがビタミンDです。

ビタミンDは、皮膚が紫外線を受けることで体内で作られます。食品からの摂取だけでなく、日光を浴びることでも供給されるという、少し特殊な栄養素です。

だからこそ、紫外線を徹底的に遮ると、この供給ルートが細くなります。

環境省の資料が示す数字

「紫外線環境保健マニュアル2020」には、はっきりした数字が載っています。

SPF30の日焼け止めを使用すると、皮下でのビタミンD産生は5%以下に落ちる。

5%以下です。9割以上が減る計算になります。

紫外線対策を推奨する立場の公的資料が、この数字を明記していることには意味があります。紫外線対策には代償があると、国の資料が認めているということです。

では、塗らない方がいいのか

ここで極端な結論に飛ばないことが大事です。

環境省の資料では、日本人は紫外線に対する感受性が白人種より低いことにも触れられており、悪影響ばかりでなく好影響にも目を向ける必要性が示されています。

つまり、紫外線をゼロにすることが目的ではないということです。

そして重要なのは、ビタミンDにはもう一つの供給ルートがあるという点です。食事です。

食事から摂るという選択肢

ビタミンDを多く含む食品として、一般的に知られているのは次のようなものです。

  • 鮭、さんま、いわしなどの魚
  • きのこ類(干ししいたけなど)
  • 卵黄

日常的に魚を食べる習慣がある人は、日光への依存度がその分下がります。逆に、外食中心で魚をほとんど食べず、かつ徹底的に紫外線を避けている人は、両方のルートが細くなります。

自分がどちらに近いかで、考えるべきことは変わります。

なお、具体的にどれだけ摂るべきか、サプリメントで補うべきかといった判断は、体質や生活習慣、既往によって変わります。気になる場合は、自己判断せず医師や管理栄養士に相談するのが確実です。

現実的な着地点

そもそも、多くの人は日焼け止めを完璧には塗れていません。

  • 塗り忘れる日がある
  • 塗り直しはできていない
  • 手や首の後ろは塗っていない
  • 量が規定量に届いていない

SPF30の日焼け止めを「規定量で、全身に、塗り直しながら」使い続けている人は、実際にはかなり少数派です。

この記事の数字は、理想的に塗った場合の話です。現実の塗り方では、ここまで極端には減っていない可能性が高い、というのが正直なところでしょう。

したがって、現実的な着地点はこうなります。

紫外線対策はする。そのうえで、食事の方も少し意識しておく。

日焼け止めをやめる理由にはなりませんが、魚を食べる理由にはなります。

もう一つの正直な話:日焼けした後のケアについて

ついでに、もう一つ都合の悪い事実を書いておきます。

環境省の資料によれば、日焼けをしてしまった後のローション等による手入れは、痛みを抑える効果はあるものの、皮膚の老化や皮膚がんなどの長期的な予防効果は少ないとされています。

つまり、「焼けてしまったから、あとで念入りにケアすれば取り返せる」という考え方は、あまり期待できません。

事後のケアより、事前の対策の方が効きます。 これは順番の話であって、事後ケアが無意味という意味ではありませんが、優先順位としては明確です。

この記事を書いた理由

最後に、なぜわざわざ不利な話を書いたのかを説明します。

紫外線対策の情報は、その多くが何かを売る側から発信されています。日焼け止めメーカー、美容クリニック、サプリの販売元。悪意があるわけではありませんが、自社製品のデメリットを積極的に書く動機はありません。

結果として、「紫外線は避ければ避けるほどよい」という一方向の情報だけが積み上がります。

ただ、実際の資料を読むと、話はもう少し複雑です。環境省のマニュアルは紫外線対策を推奨する立場の資料ですが、そこにビタミンD産生が5%以下に落ちるという数字も、日焼け後のケアの限界も、きちんと書かれています。推奨する側が、都合の悪い数字も併記しているわけです。

読む側としては、片側だけの情報で判断しない方が、結局は損をしません。極端に振れないための材料として、この記事を置いています。

面倒くさがりな男性なら、最低限これだけ

【最低限】

  • 「紫外線=全部悪」ではないと知っておく:極端な対策に走らないための予防線です
  • 魚を食べる機会を、意識的にゼロにしない

【もう少しやるなら】

  • 外食中心で魚をほとんど食べていない自覚があるなら、食事の方を少し調整する
  • 完全に紫外線を避ける生活を目標にしない

【さらにやるなら】

  • 気になる場合は、自己判断でサプリを増やす前に医師や管理栄養士に相談する

まとめ

  • 紫外線には、皮膚でビタミンDを作る役割もある
  • 環境省の資料では、SPF30使用でビタミンD産生は5%以下とされている
  • ただしビタミンDは食事からも摂れる
  • 日本人の紫外線感受性は白人種より低いことにも、資料は触れている
  • 日焼け後のケアは、痛みには効いても長期的な予防効果は少ないとされる

紫外線対策をやめる理由にはなりませんが、バランスを取る理由にはなります。 片側だけの情報で判断しないでください。

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参考資料


本記事は一般的な情報の紹介を目的としており、特定の商品や栄養素の効果を保証・断定するものではありません。栄養や健康状態に関する個別の判断については、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。

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