日焼け止めが苦手な人は、一定数います。
ベタつくのが嫌だ。塗り直しが面倒だ。落とすのが手間だ。そもそも顔に何かを塗るという行為に馴染みがない。どれも、よく分かります。
そういう人に「それでも塗りましょう」と言い続けるのは、あまり生産的ではありません。この記事では、塗らずにできる紫外線対策を、公的資料の数字とともに整理します。
結論から言うと、塗る以外の手段は、想像よりずっと有効です。
結論を先に
環境省の資料から、効果の数字が出ているものを挙げます。
- 帽子:眼への紫外線ばく露が約20%減少
- サングラス(紫外線防止効果のあるもの):最大90%カット
- 日陰:日向の約50%
- 時間帯を避ける:夏は10〜14時に1日の約70%が集中
いずれも、塗り直しが不要という共通点があります。一度装備すれば効き続けるので、面倒くさがりとの相性はむしろ日焼け止めより良いかもしれません。
1. 帽子
環境省の資料では、帽子の着用によって眼への紫外線ばく露が約20%減少するとされています。
眼への効果として示されている数字ですが、当然ながらつばの下にある顔の上半分も影に入ります。額、鼻の頭、頬の上部といった、日光を受けやすい部分をまとめて覆えます。
選ぶときのポイント
- つばが広いほど覆える面積が増えます
- 前だけでなく、後ろと横にもつばがある形なら、首の後ろや耳もカバーできます
- 首の後ろと耳は、日焼け止めを塗るときに最も忘れられる場所です。帽子で解決するのは合理的です
ただし、帽子は散乱光には無力です。環境省の資料によると、屋外では直達光と散乱光がほぼ同程度あるとされています。つまり空全体から降ってくる分は、つばでは防げません。帽子だけで完璧、とはなりません。
2. サングラス
紫外線防止効果のあるサングラスを使用すると、眼に入る紫外線を最大90%カットできるとされています。
90%という数字は、この記事で紹介する手段の中で最大です。
なぜ眼の紫外線対策が「老け見え」の話になるのか
理由は2つあります。
1つ目。目の周りは日焼け止めが塗りにくい場所です。しみるのが怖くて、多くの人が目の周りだけ薄く塗っています。塗れない場所を、別の手段で守るという発想です。
2つ目。まぶしいと目を細めます。目を細める動作の繰り返しは、表情のクセとして顔に定着していくと考えられています。サングラスをかけると、そもそも目を細める必要がなくなります。
つまりサングラスは、紫外線そのものと、まぶしさによる表情のクセの、両方に効く可能性があります。
選ぶときの注意
- 色の濃さと紫外線カット率は別物です。濃い色でも紫外線を通すものはあります
- UVカット表示を確認してください
- 色が濃いと瞳孔が開くため、紫外線カット機能がないものは、かけない方がましという状況もありえます
これは意外と知られていない点です。ファッション用の濃い色のものを選ぶ場合ほど、表示の確認が必要になります。
3. 日陰を歩く
環境省の資料によると、日陰の紫外線量は日向の約50%です。
コストゼロ、手間ゼロで半減します。効率という一点では、これに勝る手段はありません。
ただし、半分止まりである点は正確に理解しておくべきです。前述のとおり、屋外では直達光と散乱光がほぼ同程度あります。日陰は直達光を遮りますが、空全体から届く散乱光は残ります。
「日陰にいたから大丈夫」ではなく、「日陰にいたから半分で済んだ」が正しい認識です。
実践しやすい形
- 建物側の歩道を選ぶ
- 街路樹のある側を歩く
- 待ち合わせで屋外に立つとき、日向を避ける
意識するだけで実行できるので、習慣にする価値はあります。
4. 時間帯をずらす
紫外線量は、時間帯によって大きく偏っています。
- 夏:10時〜14時に1日の約70%
- 冬:同じ時間帯に80〜85%
外出時間をずらせる用事なら、この時間帯を避けるだけで、浴びる量は大きく変わります。
散歩、ランニング、買い物、洗車、庭仕事。自分で時間を決められるものは、朝や夕方に寄せる。これも実質コストゼロの対策です。
5. 衣類
環境省の資料では、日光にさらされやすい場所として肩や背中の上部が挙げられています。裏を返せば、衣類で覆えばそこは守られるということです。
- 襟のあるシャツは、首の後ろを覆えます
- 長袖は腕をカバーします
- 薄手でも、覆うだけで直達光は遮れます
夏に長袖は暑いので万人向けではありませんが、屋外での作業がある日には現実的な選択肢です。
組み合わせると、塗らなくてもかなり守れる
各手段は単独では不完全ですが、重ねると話が変わります。
| 手段 | 効果 | 塗り直し |
|---|---|---|
| 帽子 | 眼への被曝 約20%減 | 不要 |
| サングラス | 眼への紫外線 最大90%カット | 不要 |
| 日陰 | 約50%減 | 不要 |
| 時間帯回避 | 夏は10〜14時に約70%集中 | 不要 |
| 衣類 | 覆った部分の直達光を遮る | 不要 |
全部が「塗り直し不要」です。 日焼け止めの最大の弱点が塗り直しである以上、これらは補完関係にあります。
正直に言うと:塗る方が確実な場所もある
公平のために書いておきます。
顔の中心部(鼻、頬、口元)は、帽子のつばでも完全には覆えません。日陰でも散乱光は届きます。ここを本気で守りたい場合、塗るのが最も確実です。
したがって現実的な結論はこうなります。
塗るのが苦手なら、まず塗らない手段から始める。 そのうえで、必要を感じたら顔の中心部だけ塗る。全顔をきっちり塗ることを最初のハードルにすると、たいてい続きません。
面倒くさがりな男性なら、最低限これだけ
【最低限】
- 帽子を1つ買う:かぶるだけで完結し、塗り直しが不要です
- 歩くとき、建物側の日陰を選ぶ:コストゼロで約半分になります
【もう少しやるなら】
- UVカット表示のあるサングラスを使う:塗りにくい目元をカバーでき、目を細めるクセも減らせます
- 自分で時間を決められる外出を、10〜14時から外す
【さらにやるなら】
- 帽子・サングラス・日陰を組み合わせたうえで、顔の中心部だけ日焼け止めを塗る
- 屋外作業の日は襟付き・長袖を選ぶ
まとめ
- 帽子で眼への被曝が約20%減、サングラスは最大90%カット
- 日陰は日向の約50%
- 夏は10〜14時に1日の約70%が集中
- これらはすべて塗り直しが不要
- ただし日陰でも散乱光は残り、顔の中心部は覆いきれない
日焼け止めが苦手でも、できることはあります。ゼロか100かで考えないことが、結局いちばん続きます。
次に読む記事
- 「そもそも自分に必要なの?」 → 男性に日焼け止めは必要?
- 「塗るならどれくらいの量?」 → 日焼け止めの量、足りてますか?
- 「塗り直しができない」 → 日焼け止めの「2〜3時間おきに塗り直し」は現実的か?
- 「いつからいつまで?」 → 日焼け止めはいつからいつまで塗るのか
参考資料
本記事は一般的な情報の紹介を目的としており、特定の商品の効果を保証・断定するものではありません。肌や眼に異常を感じた場合は、専門機関にご相談ください。


コメント